なーんか、雨が激しいわね。
韓国では14日から15日にかけて記録的な豪雨となり、新聞の一面を飾った。また、京都でも15日夕方からよるにかけて豪雨となり、床下浸水の被害もでたらしい。東海地方では16日朝10時半頃、岐阜県に大雨注意報が発令され、私の地元では昼12時頃に視界がほとんど閉ざされるような大雨になった。
ってことは、韓国で大雨を降らせた雲が東海地方まで来たってことかな。時間的にもだいたい合いそうだけど。
つーことで15日15時から24時間分のひまわり画像を取り寄せ、動画にしてみた。著作権の問題があるのでアップはしないが。
で、どうだったの?
結論から言うと、お前の予想はハズレだ。韓国の雲は京都まで到達していないし、京都の雲は東海地方を通ってない。
え、偶然ってこと?
私は気象の専門知識を持っていないので断言はできないが、雲の動きを見る限りではあまり関係がなさそうだな。
へぇ、そうなんだ。どんな動きをしてたの?
まず14日から15日にかけてソウルに雨を降らせた雲だが、15日15時の時点できれいさっぱり消えている。東シナ海から北東に向けて梅雨前線が走っているらしいが、この前線に沿って雲が流れている。つまり、韓国の雲は北海道ならともかく、本州には到達できない。
15日15時っていったら京都に雨が降り出した時間ね。んじゃ、この雲はどこから来たの?
風の向きから考えて瀬戸内海だな。密度の濃い雲が京都上空に2時間ほど居座った後、本州を縦断する形で北陸地方へ抜けていった。東海地方では一過性の雨になったはずだ。これが17時頃。
その後、京都では大雨になっているわよ。これも違う雲なの?
瀬戸内海から大阪を通った雲と紀伊半島を縦断した雲が京都あたりで一緒になっているな。これが22時頃。この雲は東海地方まで覆っている。
なんか、これも昼の雨とは関係なさそうね。
ここからが本命。16日零時に四国付近で雲が発生しているんだが、瞬く間に成長し、四国全域、近畿地方、中部地方西側を覆う。動画でみると、3つの雲が合わさる様子がよくわかるぞ。
アメダスをみると………あ。雨の中心も一緒に動いているわね。
で、問題の16日11時。雨の中心が愛知県に到達。しかし空気の壁に阻まれて、それ以上は進めない。結局、名古屋付近に激しい雨を降らせつつ、北へ流れていった。この空気の壁を前線というのではないのか?
16日12時の天気図には、そんなところに前線なんかないわよ。
そ。それが疑問なんだよな。天気図によると、近畿地方から関東地方にかけては平穏そのもののはずだ。しかし現実の雲の動きを見ると、愛知と静岡の県境あたりに前線があるようにしか見えない。
前線の定義が違うんじゃないの?
少々古いが、15日が似たような状態なのでそのときのTBSの解説を転載すると、「2番風と3番の風が見事にぶつかっているのです。この風のケンカのすえ、西日本から北陸、東北には白くはっきりした雲がかかって所々で強い雨が降っています」だそうだ。で、おなじくTBSのFAQによると、前線とは「前線は向きの違う風や性質の違う空気の境界ですが、前線のところで風や空気が激しくぶつかりあっていたり、あるいは温度差が大きかったりすると上昇気流が強まって雨や雪になります」だそうだ。
なーんか矛盾してるわね。風邪のケンカって、モロに「向きの違う風」が激しくぶつかり合ってるってことじゃないの。
結局のところ、天気図は意外とアテにならないのか?