ふははははは! 我、力を手に入れたり!!
バカ。
最近、ツッコミがえらい冷たいのな。
そりゃ、こんなか弱い女の子を格闘大会なんかに放り出すヤツ相手に温かく接する必要なんかないわよ。
おぉ、そういえば予選突破していたな。いや、見事見事。
………言いたいことはそれだけか?
なんだかんだ言って、対戦相手を楽しそうに蹴り飛ばしていたように見えたが気のせいか?
そ、それは………。いやだって、最近ストレス溜まってたし。
ほう、何か? おまえは人を蹴り飛ばすことでストレスを解消するのだな? 私もずいぶんと蹴倒された覚えがあるが、それらはすべてストレス解消、言い換えれば八つ当たりだったわけだ。
えっと、だからその………そ、そうだ! 冒頭の「力を手に入れた」って何なの? ついに悪魔との契約が成立………
するかヴォケ。何が悲しゅうて悪魔なぞという得体の知れんもんと契約せにゃならん。てめぇのことぐらい、てめぇで面倒見るわ。
いや、だって、昔から力と言えば悪魔との契約だし?
その思考回路を何とかしろ。単にメインマシンが変わっただけだ。
なんだ、そんなことか。もう少しハデなことを期待してたのに。
手に入れたマシンはDELLのPrision。CPUはPentiumII-350MHz、メモリはECC DRAMM 128MB×4。Ultora-2Wide SCSIをオンボードで搭載し、CPUはデュアル構成が可能など、強力な装備を多数備えたグラフィックワークステーションだ。
………どこからそんなマシン手に入れた。
中古だ。さて、フルSCSIという恵まれた環境ではあるが、HDDが4.3GBしかないなど、少々心許ないな。とりあえずRAIDボード突っ込んでストライピングでもかけるか。Ultora2-WideのSCSI HDDはスワップ領域専用だな。
今、さらりと贅沢なこと言わなかったか?
むぅ、RAIDボードを突っ込んだら起動すらしない。BIOSは立ち上がったところを見ると、IRQがコンフリクトでも起こしたか? まぁ、いいや。80GBなどという広大な領域は使い切れないし、30GBの7200回転でも突っ込んでおこう。
結構ワガママなのね。
すでにSCSIが2つも乗っているからな。それくらいは起こしても当然かもしれない。さて次は、CPUの交換といってみようか。
さすがに350MHzじゃぁ心許ないわよね。
手元にPentiumII-400MHzがあるからな。さて、設定は………マザーボード上にジャンパピンがない? BIOSは………倍率設定不可?
ってことは、350MHz限定?
まさか、そんな柔軟性のないことはすまい。まぁいいや、とりあえず挿しちゃえ。
せっかくのマシンが壊れるじゃないのよ!
それなりに勝算があってのことだ。それに、CPUの挿し間違いでは特に問題は起こらんよ。ほい、動いた。
え、だって倍率変更ができなかったじゃないのよ。
CPUにあらかじめベースクロックや電圧、倍率などが設定されているんだ。マザーはそれを読み込んで設定するだけでいい。倍率変更の設定はオーバークロック用と言っても過言ではないな。
そりゃ、ワークステーションをオーバークロックで動かすヤツはいないわよね。
しかし、CPUファンを回すには排気ファンをはずさねばならん。しかしこれはシステムファンだったらしく、起動するたびに警告がでる。
CPUファンだったら、元から付いてたのと差し替えればいいじゃん。
よく見て見ろ。デフォルトのCPUにファンはない。おそらくはPentiumII Xeon用と思われるバカでかいヒートシンクが付いているだけだ。つまり、ファンレス設計。
なるほど、システムファンがヒートシンクのすぐそばにあるから十分冷えるんだ。
よくできたサーバほどファンに頼らない設計をしていると聞いたことがあるが、見事に体現しているな。ということを考えると、元に戻した方が賢明か。
もしかして、デフォルトが一番性能いいんじゃないの
さすがにHDDやCD-ROMドライブはパフォーマンスの違いがありすぎるので交換した方がいいが、CPUやメモリは触れないべきだ。ヘタに触ると全体的なパフォーマンスを落とす。
作りがよすぎるって言うのかな。高次元なところでバランスがとれていて、手を付けるところがないみたいな。
これがワークステーションなんだな。どんなに金をかけようと、自作機がチャチに見える。