皆様、こんばんわ。ニュースサイト巡りがあたしの日課なんですが、「AIMOが就職した」というニュースを聞いて、ちょっとニヤリとしました。これまでCMやショールームなどではよくお目にかかったASIMOですが、「就職」は初めてとのことです。
今までは「賃貸」だったそうな。就職と賃貸の違いがよくわからんが。
就職先は東京都江東区にある日本科学未来館です。この科学館はロボット関連の展示が充実しており、現在も「ロボットミーム展」が開催されています。また、宇宙飛行士の毛利氏が館長を務めておられることでも有名ですね。
私は先ほど知ったばかりだ。
さて、ASIMOといえば本田技研が世界に誇る完全自律二足歩行ロボットです。サイズは全高120cm、重量43kg、奥行44cm、横幅45cmですので、ずいぶんコンパクトにまとまっていますね。身長で言えば7歳児くらいでしょうか。
体重だと12、13歳くらいか。
というと小型・軽量化の方に目が行きがちですが、ASIMO(Advanced Step in Innovative Mobility:新しい時代へ進化した革新的なモビリティー)という名が示す通り、もっとも力が注ぎ込まれているのが二足歩行の部分です。
確かに、二足歩行は究極のモビリティだわな。
ASIMOが実際に動いているところを見たことのある方ならご存知かと思いますが、非常に自然で安定した歩行を実現しています。これはi-WALK(Intelligent Real time Flexible Walking)と呼ばれる技術だそうです。
「i」が氾濫している気がするのは気のせいか?
この技術を開発するまではとても平坦とは呼べない道だったようで、最初の試作機「E0」から実に14年もの歳月をかけてASIMOに至っています。そしてその過程で一貫しているのが「歩行」なんですね。
二足歩行はそれだけ難しいと言うこと。
1986年に開発されたE0は、二足歩行の原理を知るために作られたようなモデルでした。このときはスムーズに動く「動歩行」ではなく、ゆっくりと着実に歩を進める「静歩行」しかできなかったそうです。
動歩行はバランスを崩しながらの移動だから、さらに難しい。
動歩行を実現したのは1988年に開発されたE2が最初だそうです。関節の自由度は両足で12自由度あり、これはASIMOに至るまで共通の自由度となっています。ちなみにセンサーは足裏の接地検知センサーのみだそうですが、これだけでよく動歩行を実現したものです。
ちなみに人間は3つの「センサー」を持っている。
そしてその4年後の1992年に完成したE6は階段の昇降、傾斜面の歩行など、自分でバランスをとりながらの歩行を実現しました。このときには視覚カメラをはじめとするセンサー類が大幅に強化さたそうですが、これがE(Experimental Model)型番の最終形態です。
そして、下半身だけのモデルの最後でもある。
1994年に開発されたP1(Prototype Model 1)で初めて上半身がつきます。このときは電源やコンピュータなどが外付けでしたが、扉の取っ手をつかんだり物を運んだりといった簡単な作業をこなすことができたそうです。
開発者によると、手の開発は脚に比べれば造作もないことだとか。
そして初めてマスコミに公開されたP2ではコンピュータなどを内蔵し、無線で操作することができるようになります。その翌年、1997年9月に発表されたP3ではついに完全自律二足歩行を実現しました。
P3もCMに使われていたっけ。
人の生活に溶け込むことを想定して作られたASIMOは、単にP3を小型・軽量化しただけではありません。よりスムーズに、より人間らしく歩くためのテクノロジーがぎっしりと詰まっています。
「歩く」ことを追求した結果か。
さて今回は本田技研がASIMOを開発するまでの14年を駆け足でお送りしました。ASIMOの開発で歩くための技術が一通りそろったようですが、まだ「走る」には至っていません。これからも開発は続いていくでしょうね。