明けましておめでとうございます。昨年はまったく更新しなかったにもかかわらず、チェックしていただいた方もおられたようで、ありがたい限りです。まぁ、アクセスログを見てみると怪しげなアクセスもいっぱいありますが。
相変わらずオーストラリアとか台湾とかエジプトとか、ワケわかんないとこからのアクセスが多いんだよなぁ。
多分、スパム業者だろうね。webmaster@rudicast.net宛てにうんざりするぐらいゴミメールが飛んできてるし。しかも、大半が中国語。うちのサイトは日本語の文章しか置いてないってのに、なに考えてんだろ。
数撃うちゃ当たるのつもりかもな。
まぁ、この辺はメールフィルタで全部カットしてますけどね。さて相変わらず話が吹っ飛びますが、1月5日付の科学雑誌ネイチャーで冥王星の衛星「カロン」には大気が存在しないと発表されたそうです。
カロンによる恒星食の分析結果だそうな。
もし大気があるとすると、恒星の光度はカロンに隠さされる直前に緩やかに変化するはずですが、そのような現象は見られなかったとのこと。これは、冥王星に天体が衝突し、その破片が集まってカロンができたという説と合うそうです
冥王星に比してカロンが大きすぎることから、全然別のところでできて冥王星の引力につかまったという説もあるそうな。
冥王星ってのはこれまでひとつの探査機も接近してないから、詳しいことは何にもわかってないのよね。ってことで、今月18日に初の冥王星探査機「ニューホライズン」が打ち上げられます。
冥王星探査機って、「プルートー・カイパー・エクスプレス」ってのがなかったっけか?
2004年12月に打ち上げて、2012年に冥王星をフライバイする予定だったヤツね。でも予算の都合でキャンセルされたらしいわね。んで、ミッションはニューホライズンが引き継いだことになってるみたい。
ところで、ニューホライズンはどんなミッションなんだ?
打ち上げられたらその足でぶぁ〜と木星に行って、スィングバイしてさらに加速、一気に冥王星へ。そのまま冥王星とカロンの脇をすり抜けて、さらにその向こう、カイパーベルト天体も探査する、と。
すり抜ける? 冥王星の周回軌道に乗らないのか?
うん、乗らない。周回軌道に乗せるのってすっごい微妙な軌道設計が必要だと思うんだけど、一度も探査機が行ってないような天体だからデータが足らないだろうし、あれだけ遠くで微妙な操作ってのはきついんじゃないかな。
そう考えると、「はやぶさ」はよくぞイトカワにタッチダウンしたもんだな。
イトカワまで光で16分だからまだマシな方とはいえ、よっぽど高度な自律航法・誘導機能を持ってないと無理よね。それに対して、冥王星まで光でも片道5時間以上。探査機側で完全に判断できるようにならないと周回軌道投入は難しいと思う。
んじゃ、近くを通って……何するんだ?
まず、写真を撮る。それから質量とサイズの測定。ほかには大気や太陽風の調査など。特に大気の調査はかなり気合が入ってるらしく、7つの観測装置のうち4つが割り振られてるわね。当然、兼用してるものもあるけど。
ん〜と…通信装置を使って大気の密度やなんかを調べ、さらに冥王星自体の質量測定にも使うのか。
冥王星の大気って不思議なもので、かなりの量が宇宙空間に流出してたり、大気のないカロンよりもさらに温度が低かったりしてるらしいのよ。でも組成がわかればこの辺の謎が一気に解けるかもしれないわね。
冥王星の生成過程も議論できそうだな。
生成過程がはっきりすれば、"カイパーベルト天体の親玉"という表現が正しいのかもわかるわね。もしそうなら太陽系外縁部の知見が一気に広がるだろうし、そうでないなら太陽系の生成モデルに波紋を呼びそうだし。
冥王星到着は2015年の予定か。えらく先の話だが、楽しみだな。
結果が来るまでざっと10年の長丁場。そんなに長期間耐えられるかとか不安要素はいろいろあるけど、しっかり生き残って観測してくれるといいわね。ということで今回は、ここら辺にて失礼します。