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残暑厳しい昨今ですが、いかがお過ごしでしょうか。このごろは暑いというよりもむしろ、熱いと言った方が正しいような気がしてきました。この日差しの強さは、まさに殺人的ですね。
南国だったら日陰に入るだけでずいぶん涼しいだろうが、湿度の高い東海地方では、それも気休めにしかならん。
そう、せめてカラッとしてくれてればまだマシなんだけど。さて、ここのところ新聞紙上をにぎわせているネタに「惑星が増える」なんてのがありますが、こちらも熱い議論を呼んでいるようです。
誤解を呼ぶような表現だけど、別に新しい惑星が発見されたワケじゃないんだよな。
そ、単純に「惑星」という言葉の定義の問題。んで、その定義によっては冥王星が惑星の地位からはずされる可能性があったわけ。ところがフタを開けてみたら、冥王星が惑星の地位に残るのはともかくとして、あと3つ増えることになっちゃった、と。
そもそも、なんでそんなことがおこるんだ？ 「惑星」なんて言葉は何百年も前からあるだろうが。
言葉はあっても、今の今まで科学的な定義がなかったのよ。とりあえずこれまでは、太陽の周りを回るデカブツを「惑星」と呼んでいて、水金地火木土天海冥の9天体が該当してたわけ。ところが冥王星よりも大きな天体が見つかっちゃって、さあ大変、と。
んじゃ、そいつも「惑星」の仲間に入れればいいだろ。太陽系第10惑星ってのはなかなかいい響きだと思うが。
んじゃ、どこから「デカブツ」に数えればいいのかな？ とりあえず「冥王星よりも大きなモノ」という考え方もあるけど、「冥王星の大きさ」を基準にする科学的な根拠ってなんだ、という話になるわね。
冥王星が惑星の中で一番小さいから、ってのは理由にならんな。惑星の定義を決めるのに、惑星の大きさを基準にするのはおかしい。
てことで、1.球状である 2.恒星の周りを回る恒星でも衛星でもないモノ という原案が今月16日に提出されたのよ。大きさでいうと、材質にもよるけど直径が800km以上ってとこかな。んでこの定義に従うと、太陽系の惑星はあと3つ増えるってワケ。
ちょっと待て。その程度の大きさの天体だったら、これからも見つかる可能性があるんじゃないのか。
正解。それどころか、すでに現時点で候補になりそうな天体があと12個見つかってるわよ。当然これからも候補はいくつも見つかるだろうし、そうすると太陽系の惑星が20を超える日は近いとも言われているわね。
なんか、話がぐちゃぐちゃになってきそうだな。いままで惑星の定義なんざ、語るまでもないと思っていたんだが。
元をたどれば、冥王星を惑星に数えちゃったのが問題だったのよ。他の8惑星と比べると冥王星ってのはあまりにも特殊な性格をしていて、ほとんど小惑星に近いのよね。それを無理に惑星にしようとするからややこしくなるという話もあるわよ。
特殊な性格って？
地球を含めた他の惑星は同じ平面上をほぼ円軌道で巡っているの。ところが冥王星だけはえらく傾いていて、形も楕円なのよ。1999年まで冥王星が海王星の内側にあったんだけど、このいびつな軌道が原因ね。
確かにその話だけでも、冥王星が特殊に思えるな。
他にもできあがった過程とかいろいろ違いはあるんだけど、なんにせよ専門家の間では、冥王星だけは他の惑星と別物という認識が常識らしいわね。ところが「惑星」というグループの定義を考えるとなると、これがまた難しいようで。
政治的な力が絡んでいるという話も聞いたことがあるが。
ということで、現在プラハで開かれている国際天文学連合の総会で熱い議論が繰り広げられてるってワケ。地質学方面からお叱りが入るとか、参加者の多くが原案に反対するとか、波乱の様相を呈しているようだけど。
どうやったら決まるんだ？
今月24日午前中に最終案が提出され、午後に投票。これで決まればいいんだけど、反対多数だったら3年後に持ち越し。でもそれ以前に議論の紛糾ぶりを見ると、最終案が無事提出されるかも怪しいかもね。
そら、荒れもするだろうな。
ただ間違いなく言えることは、少なくとも今後三年間、冥王星は惑星の地位にあるってこと。でも、惑星が増えるかと聞かれると何とも言えないわね。あたしは8：2で9惑星のまま次回に持ち越しと考えているけど、どうだろ。
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